吉野彰の受賞理由を解りやすく解説!実力・功績や旭化成での評判他

      2020/03/20

今年のノーベル化学賞が、リチウムイオン電池を開発した吉野彰氏(旭化成名誉フェロー)に贈られることが決まりましたね。

米大学の2氏との共同受賞だそうですが、日本の化学賞は2010 年以来9年ぶりだそうです。

 

個人的には、一企業の研究者である吉野彰氏がノーベル賞を受賞されたことに大変感動した次第です!

 

今回は、吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞できた2つの理由について、わかりやすく解説させて戴きたいと思います。

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I   吉野彰氏が開発したリチウムイオン電池はこんなに凄いものだった!!【理由その1】

① 吉野彰氏が開発したリチウムイオン電池はまさに現代生活を支える文明の利器…我々の住む世界をこう変えたから!!

吉野彰氏は、この電池の原形を1985年(昭和60年)に世界で初めて作りました。

 

それでは、何がどうそれまでの電池と異なっていたのでしょうか?

吉野彰氏が開発したリチウムイオン電池は、小型・軽量で出力が大きい上に激しい発熱を抑えて安全性が高く、充電しながら何度でも繰り返し使うことができます。

 

「ニッケル」や「鉛」などを使ったそれまでの電池は、1.5ボルト前後という低い電圧しか取り出せませんでした。一方で、「リチウム」を使うと3ボルト以上という高い電圧は得られることはわかっていたのですが、発熱や発火のおそれがあり安全に充電することができないという大きな問題点を持っていたんです。

また、それまでの充電式電池の主流は、ニッケル・カドミウム蓄電池やニッケル水素電池などが使われていましたが、これらの電池は、最後まで放電してから充電をしないと、次第に電池の容量が減ってしまうという問題点がありました。

 

当時(約35年前)は、「もっと小さくて使いやすい充電池がほしい…」という社会のニーズが間違いなくありましたし、「小型、軽量、高出力で安全、繰り返し使える電池…」を実現するために世界のあまたの科学者が頭を悩ませていたわけです。

 

電池は、正負の電極にどんな物質を使うかによって性能が決まるといわれています…。

吉野彰氏は、試行錯誤を繰り返しつつ遂に共同受賞者のグッドイナフ氏らが開発したコバルト酸リチウムを正極に、炭素材料を負極に選び、1985年、ついに世界のあまたの科学者が頭を悩ませつづけてきた…「小型、軽量、高出力で安全、繰り返し使える電池…」を作る技術を確立したわけです。

 

 

吉野彰氏がリチウムイオン電池を開発したのち、ソニーが1991年(平成3年)にデジタルビデオカメラを小型化する目的で初めて製品化しました。その後は、ノートパソコンやスマートフォンといった携帯機器を中心に搭載されるようになりましたね。

 

最近は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の動力源としても欠かせないほか、太陽光発電で生み出した電気を蓄える用途でも需要が拡大しているわけです。

もしこのリチウムイオン電池がなければ…これらの製品も普及していないことを鑑みるとその社会的、経済的な影響は計り知れないわけです!

 

1992年(平成3年)9月には、リチウムイオン電池をバックパックとして初めて搭載した家庭用ビデオカメラがソニーから発売されました。

 

そうなんです…といってもわかる方にしかわかりませんけどね!…なんと私が結婚して6年目、まだまだ新婚気分が残っていた?頃でしたでしょうか…(笑)

当時、20万円ぐらいしたのではないかと思いますが、何か月かの分割払いで即購入しました。

 

当時は北海道にいましたので車でよく旅行したものですが、旅のお供には必ずパスポートサイズのハンディカメラを持ち歩いていたのを覚えていますよ。

 

そういえばたしかに、結婚した6年前のハワイへの新婚旅行の時は、小型のビデオカメラはありませんでした。

実家の親父(今はもう80になりますが…)が新しもの好きで、肩で担ぐタイプのビデオカメラを持っていましたので、これを拝借していましたが、さすがに重いし大きいので結局新婚旅行には持っていくことはできなかったんです。

 

そして、90年代半ば(約25年前)にIT革命が起きますと、さらに小型軽量化されたリチウムイオン電池は爆発的に普及しました。いまやもう、何の違和感もなく普通にスマートフォンやパソコンなどのモバイル機器に広く使われているわけです。

 

90年代半ば(約25年前)には、携帯電話が登場しました。仕事の都合で海外に出張する機会がありましたが、当時JALのマイレージキャンペーンかなにかで、携帯電話などがもれなくもらえる…というのがありまして、これに応募して携帯電話を初めてゲットしたのも鮮明に覚えていますよ。

これには胸が躍りましたね。今のように当然薄型ではありませんでしたよ。ちょうど固定電話の子機ぐらいの大きさだったでしょうか、これでも家の中ではなく間違いなく外でも使える携帯電話を手にできたことで、当時は大感動していたわけです…(笑)

 

まあ、いずれにしましても…吉野彰氏の偉大な発明が現代生活を支える文明の利器として我々の住む世界(身近な生活)を正に実感できるように変えてくれたことは間違いありません。…すごいことだと思います!!

 

そして、近年は電気自動車や太陽光発電の蓄電池などにその用途が広がっていますし、環境問題を解決する新しい未来の社会ができる可能性を切り開いています。

 

② リチウムイオン電池はこうした通信機器のみならず、我国の平和と安全を守る防衛装備にも多く使われています。

リチウムイオン電池は、以上のように現代生活を支える文明の利器として我々の住む世界を変えてくれましたが、我々の現代生活の根本となる我が国の平和と安全を守る防衛装備にも多く使用されていることをご存じでしょうか?

そうりゅう型潜水艦の11番艦「おうりゅう」は、リチウムイオン電池を搭載した世界初の潜水艦です。

リチウムイオン電池は液体の電解質を使わずガスを放出しません。エネルギーも2倍になると言われています。

こくりゅう

 

II   吉野彰氏はこんなにすごい人だった‼︎【理由その2】

吉野彰氏は、このような素晴らしいリチウムイオン電池の原形を世界で初めて作った偉大な科学者です。

そこでまず、注目しなければならないと思う点は、吉野彰氏が民間企業の研究者であることです。

過去には、02年の化学賞を受けた田中耕一氏(島津製作所シニアフェロー)や、徳島県のメーカーで青色発光ダイオードを開発し、14年の物理学賞を受けた中村修二氏らがおられます。

 

企業での研究開発は、商品化というゴールを常に意識することが求められているわけです。

吉野彰氏は当初、ノーベル化学賞受賞者の白川英樹氏らが開発した「電気を通すプラスチック」ポリアセチレンの産業応用を検討する中で、これを電池の電極に使えないかと思いついたそうです。

このアイデアは結果的に不調に終わりましたが、試行錯誤を重ねた結果、代わりに電気的特性の似た炭素材料を選び、画期的な発明につなげたわけです。

基礎研究の成果を応用へと生かした涙ぐましい努力の成果を結実させた素晴らしい事例だと言えると思います。

 

「…頂いたときに最初に申し上げたいのは、インダストリーの吉野を選んでくれたということ。ノーベル賞は傾向としてはアカデミアの世界のものだった。産業界の研究者のモチベーションにつながれば…」

…と受賞前の取材の時は、受賞したときにこのように答えたいとおっしゃっていたそうです。

 

受賞後に実際ご本人から具体的な言及があったかにつきましては定かでは御座いませんが…

そうした事については、このリチウムイオン電池が、現代生活を支えそしてこれからも支え続けていく発展性のある文明の利器あること…

 

世界中の方々がこの恩恵を被り続けるわけですから、常に新しい商品化を目標を求められている企業の研究者の一人である吉野彰氏がこのノーベル化学賞という偉大なる賞を受賞したということを我々は忘れてはならないと強く思っています。

 

吉野彰氏の周りには、若手の研究者が絶えず集まってくるといわれています…

 

吉野彰氏と一緒に研究している名城大理工学部の土屋文氏(50)は、吉野氏の人柄について「とにかく優しくて気さく」…

「こちらが話をしてもまず否定せず受け入れて、『こうしたら』とアドバイスをくれる」と言う。相談のメールをすると、「部屋に来て下さい」と快く応じてくれ、とにかく「敷居が低い」方であるとおっしゃっているそうです。

後に続く後輩研究者が励みとなる対応をされている姿が目に浮かぶようです。お人柄は会見時のお写真、表情からもうかがえることができますよね。

 

実るほど頭を垂れる稲穂かな…ノーベル賞を受賞されるに相応しい大きな器を持っていらっしゃる方だと強く感じたのは私だけではないと思います。

 

受賞後の会見を拝見しておりますと、よく「剛」と「柔」、「信念をもって前に進む粘り強さ」と「なんとかなるさという磊落さ」のバランスをうまくとってゆくことが研究者として重要な資質だという趣旨のお話を耳にします。

 

まさに吉野彰氏が実践されてきたことですし、それが氏のお人柄そのものであると強く感じました。

 

吉野彰氏がノーベル賞候補に挙がったのは7~8年前だそうですが、いつかきっとノーベル賞を取れるものだと確信をしていたそうです。

 

「…必ずいつかは受賞できると思っていました。化学賞の対象分野はフィールドがとても広いのです…だからなかなか順番が回ってこないのですよ…これは仕方ないんですよね…」こう言った趣旨のことをおっしゃっておられたのがとても印象に残っています。

 

「剛」と「柔」の実践、「信念・忍耐力」と「磊落・フレンドリーさ」バランスの取れたお人柄…器の大きい、素晴らしいお方だと思う次第です。

これでないとノーベル賞は取れませんよね。…この度は誠におめでとうございます。

 

今回は、吉野彰氏がノーベル化学賞を受賞できた2つの理由について解りやすく解説させていただきました。最後までご覧いただき誠にありがとうございました。それではまた…。

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