一般人が即応予備自衛官になるメリットとデメリット…合格率は?
2022/09/19
防衛省は2019年度から即応予備自衛官の任用対象を一般公募出身の予備自衛官に拡大しています。
…ということはですよ…
そうなんです…! 自衛官未経験の一般人(以下、一般人といいます。)が即応予備自衛官になれる道が開けたということなんですよ!!
一般人が即応予備自衛官になれる道が開けましたよ!!
防衛省は2019年度から即応予備自衛官の任用対象を一般公募出身の予備自衛官に拡大しています。
ズバリ!自衛官未経験の一般人(以下、一般人といいます。)が即応予備自衛官になれる道が開けたということです。
もちろん、いきなり即応予備自衛官になれるわけではありません。一般人が即応予備自衛官になるには、まず一般公募の予備自衛官補の採用試験を受験し、採用されたならば3年以内に50日の教育訓練に参加し必要な知識・技能を修得します。この教育訓練を修了すると予備自衛官に任用されます。
一般人が予備自衛官に任用された後、即応予備自衛官への任用を希望する予備自衛官は、自衛官の基本特技修得(いわゆる後期教育)に相当する期間(約40日程度)の教育訓練に参加し、これを修了すると即応予備自衛官に任用されます。
教育訓練の概要ですが、即応予備自衛官の教育訓練を担任する指定部隊が担当し、即応予備自衛官の各個訓練(30日招集訓練期間のうち16日あります。)などに参加する形で教育訓練が進められます。
一般に予備自衛官の招集訓練期間は年間5日間ですが、現行の制度で年間20日間までは実施可能ですから、これを活用していけば概ね2~3年間ぐらいの間に約40日程度の教育訓練を修了して即応予備自衛官に任用される方が誕生するはずです。
一般人から初の即応予備自衛官誕生!!
自衛官経験の無い一般公募予備自衛官が #即応予備自衛官 になれる制度を令和元年から開始し、7月1日、その訓練の様子が報道公開されました。今回、#第38普通科連隊(所在地:宮城県多賀城市)で訓練を受けた数名が今年9月に即応予備自衛官になる予定です。 pic.twitter.com/Gu6rxMfMVX— 予備自衛官等制度 (@jgsdf_reserve) July 2, 2020
そうすると、一般人が一般公募の予備自衛官補に採用され予備自衛官になるのに2~3年、希望する一般公募予備自衛官が即応予備自衛官になるのに2~3年ですから、一般人からはトータル最短4~6年で即応予備自衛官が誕生することになるでしょう。
具体的な教育訓練の要領、教育訓練時間などは、2019年4月以降は新制度が実行されておりますので、興味のある方は是非最寄りの自衛隊地方協力本部に問い合わせをしてくださいね。
一般人が即応予備自衛官になるメリットは?
高い誇りをもって国を守ることに貢献できます!
即応予備自衛官は、民間企業で働きながら有事や災害時に自衛官として活動する非常勤の自衛隊員です。平成23年の東日本大震災の時に歴史上初めて招集されたのは、強く記憶に残っていると思いますし、昨年7月の西日本豪雨、9月の北海道地震の際にも招集され被災地に派遣されました。
私は、現役当時から即応予備自衛官は、日本国民の鏡だよなあ…と思っていました(マジです)。もちろん、今もそのように思っていますよ。
なぜなら…、自衛官を退職してもなおですよ、非常勤の自衛隊員という立場に身を置き、国の一大事には防衛招集などの招集命令を受けて自衛官にもどって現役の自衛官とともに任務を遂行する人達なんですよ。やはり、彼らこそが日本国民の鏡です。むしろ現役の自衛官よりも尊敬されてしかるべき存在ではないかと皆さんも思いませんか?
このように、即応予備自衛官は、国の一大事には、現役の自衛官と同様の任務を遂行する立場になるわけですから、まさに国防の礎としてより高い誇りを胸に国を守ることに貢献できることが最大のメリットだと思います。
予備自補、予備自に比し手当等の処遇が向上します!
即応予備自衛官になることにより、年間の手当総額は、約50万~60万円になります。予備自衛官補の処遇は、一般予備自衛官補で3年間に39万5000円、技能予備自衛官補で2年間に7万9000円ですし、予備自衛官としての年間の手当総額は、8万8500円です。
一般人からはこれまで予備自衛官までしか任用されませんでしたが、即応予備自衛官への道が開けたことにより即応予備自衛官に任用されれば格段に処遇が向上することになります。
あなたを雇用する企業のイメージアップにつながります!
あなたを雇用する企業は、国を守ることへの貢献はもちろん、災害派遣にあなたが参加することにより地域社会への貢献度が向上するほか、自衛官らしく颯爽とした動きは企業イメージの向上につながりますし、職場の活性化や会社での人材育成の参考にもなりますよ。
あなたを雇用する企業を国の制度がバックアップします!
雇用時の支援①⇒即応予備自衛官が訓練及び災害招集にいつでも出頭できる環境を整えていただくために、雇用企業(即応予備自衛官を雇用する法人その他の団体及び自家営業主)に月額4万2500円(年間51万円)の給付金が支払われます。
雇用時の支援②⇒予備自衛官等協力事業所表示制度により、企業の社会貢献を国が認定し社会貢献による企業イメージアップをバックアップします。
平常時の支援⇒雇用主に対する情報提供制度により、雇用主の理解と協力を得ることを目的とし防衛省・自衛隊から雇用主に対しその被用者である予備自衛官等に係る訓練招集の予定期間その他の情報を提供します。
招集時の支援⇒雇用企業協力確保給付金により、防衛出動・国民保護等派遣、災害時等に招集されたことで、平素の勤務先を離れざるを得なくなった場合、その職務に対する理解と協力の確保に資するため、平素の勤務先における事業に従事できなかった日数×日額3万4000円の給付金が支給されます。
一般人が即応予備自衛官になるデメリット(懸念事項)は?
年間30日の招集訓練…出頭環境を整えるには会社の理解が必要です。
予備自衛官に課される年間5日間の訓練参加が、即応予備自衛官になれば年間30日間となるわけですから、本業を民間企業に身を置く立場としては、即応予備自衛官を目指す一般人の個々の能力・意欲がいくら高くても、雇用企業の理解や同僚の支援がうまく得られない場合は、招集訓練への出頭環境を整えることができません。
経営者からすれば、この景気の良い時期に社員が一人でも抜けると厳しいはずですし、即応予備自衛官にとっても、本来の仕事は企業で働くことであり、訓練招集に応じて会社を休むのはどうしても気が引けるし難しい...。となるからです。
こう考えると、まずは雇用企業主の皆さん方が即応予備自衛官等を会社内に抱えるメリット(意義・重要性)を十分に理解し就業規則等を整備していただかないことには、いくら即応予備自衛官を目指す一般人の個々の能力・意欲が高くても出頭環境の厳しさは増大する一方になるでしょう。
即応予備自衛官を目指す一般人の皆さんは、まずは雇用企業主との意思疎通をしっかりすることが大切です。雇用企業主の皆さんが聞く耳を持っていただけるようでしたら、制度の意義・重要性などを理解していただくために最寄りの自衛隊地方協力本部に相談してみてください。
雇用企業主の皆さんへの制度説明等を地方協力本部が積極的に対応してくれるはずです。最近は、企業の地域社会への貢献や、ひいては国家への貢献が企業としての当然の義務であるとする時代にもなってきていますので、臆することなく行動を起こしてみてはいかがでしょうか。
一般人が即応予備自になることで全体の練度低下につながる…?
一般人が即応予備自衛官になるためには、まず一般公募の予備自衛官補の採用試験を受験し、採用されたならば3年以内に50日の教育訓練に参加し必要な知識・技能を修得します。この教育訓練を修了すると予備自衛官に任用されます。
一般人が予備自衛官に任用された後、即応予備自衛官への任用を希望する予備自衛官は、自衛官の基本特技修得(いわゆる後期教育)に相当する期間(約40日程度)の教育訓練に参加し、これを修了すると即応予備自衛官に任用されることになりそうです。…と冒頭述べました。
では、一般人から現在予備自衛官になっている一般公募予備自衛官の皆さんは、即応予備自衛官への道が開けたことをどのように感じておられるのでしょうか…? ついに俺の時代がキターーなんて思っている方も多いんじゃないですかね?
一般公募予備自衛官は、現在約3,300名余、ちょうど予備自衛官全体の一割を超えたところです。まさに、予備自衛官の十人に一人は、自衛官出身でない一般人出身の予備自衛官が占める時代が訪れたわけですね。その歩みは決して性急なものではありませんが、平成13年の予備自衛官補制度発足以来、毎年200名程度が新たな一般公募予備自衛官として着実に育まれ続けている実態を忘れてはならないと思います。
自衛隊OBとしての経験論的には、一般公募予備自衛官は、現役をリタイヤした元自予備自衛官に比し一般に意欲が高く若くて活力に溢れた人材が多いですから、即応予備自衛官を希望する一般公募予備自衛官への練度の積み上げ方法や選考要領を適切に管理してゆけば、即応予備自衛官全体の練度低下にはつながらないと思います。むしろ、まちがいなく時代に適合した有意な即応予備自衛官の財源になるのではないでしょうか。
一般人から即応予備自衛官になる場合の合格率は?
一般人が即応予備自衛官になるためには、まず一般公募の予備自衛官補の採用試験を受験し、採用されたならば3年以内に50日の教育訓練に参加し必要な知識・技能を修得します。この教育訓練を修了すると予備自衛官に任用されます。
一般人が予備自衛官に任用された後、即応予備自衛官への任用を希望する予備自衛官は、自衛官の基本特技修得(いわゆる後期教育)に相当する期間(約40日程度)の教育訓練に参加し、これを修了すると即応予備自衛官に任用されることになりそうです。…と冒頭述べました。
採用試験を実施するのは、一般人が予備自衛官補に採用されるときのみです。予備自衛官への任用、並びに即応予備自衛官への任用は、それぞれ一定の期間内に定められた日数の教育訓練にしっかりと参加すれば必要な知識・技能が修得できるカリキュラムとなっています。
したがって、あえて合格率は?と問われれば、一般人が予備自衛官補に採用される倍率となります。予備自衛官補の応募者数は、年によって変動はありますが概ね5~6000名前後と言われており、採用予定数は1400名程度ですので、3倍~4倍の合格率と考えてよいのではないでしょうか?
皆さんも即応予備自衛官を目指しませんか?
安倍総理は、平成26年の予備自衛官制度創設60周年にあたり、このように述べておられます。
『…国家の緊急事態において、防衛力を迅速に拡充し得る予備自衛官制度は、我が国の安全保障の最終的な担保であり、文字通り我が国防衛の礎です。予備自衛官、即応予備自衛官一人一人の存在は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くとの我が国の確固たる意志の表れでもあります・・・』と。
あの東日本大震災を経験して以来、国民一人一人が、その意義を再認識したことは間違いのないことだろうと思います。
まずは、2足の草鞋を履きながら国家の大事には自衛官となり任務を果たす高邁な意識と気概をもった貴重な人材に、国家として平素からより高い処遇を与える。そして、更にはこの貴重な人材を平素から雇用する企業をより優遇する施策を拡充すること。
これが国家としての喫緊の課題だと思います。国家防衛という崇高な意識を有する若人が挙って集うような魅力あふれる制度がいち早く実現されることを心から願って止みません。
皆さんも、是非即応予備自衛官を目指してみませんか?